店の便所やエレベーターの標識には、どんな時にバリアフリー法の決まりがかかるか
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義務は建てる時(用途の変更を含む)と、その後の維持にかかり、維持は建物の所有者・管理者・占有者も負います。条例で定めた規模(500平方メートル未満)以上の建築では、小さな建物にも標識の決まりがかかります。
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01義務がかかるのは、建てる時と、その後の維持
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)第14条第1項は、建築主等が「特別特定建築物の政令で定める規模以上の建築(用途の変更をして特別特定建築物にすることを含む。以下この条において同じ。)をしようとするときは」、その建物を建築物移動等円滑化基準に「適合させなければならない。」としています。第2項は、建築主等が「その所有し、管理し、又は占有する」その建物を、基準に適合するように「維持しなければならない。」です。
ここでいう建築主等は、法第2条第十六号で「建築物の建築をしようとする者又は建築物の所有者、管理者若しくは占有者をいう。」とされています。建物を建てる人だけでなく、借りて使う占有者も入ります。
第1項の規模以上の建築に当たらない特別特定建築物(今ある建物を含む)について、第5項は、建築主等が基準に適合させるために「必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」としています。第4項により、第1項から第3項の規定は、建築基準法第6条第1項に規定する建築基準関係規定とみなされます。
02対象になる店の類(施行令第5条)と、規模
施行令第5条は、特別特定建築物を19の号で挙げています。店に関わる物は、例えば次のとおりです。
- 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗(第六号)
- ホテル又は旅館(第七号)
- 飲食店(第十四号)
- 理髪店、クリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗(第十五号)
- 公衆便所(第十八号)
施行令第9条は、法第14条第1項の規模を、床面積の合計「二千平方メートル(第五条第十八号に掲げる公衆便所(次条第二項において「公衆便所」という。)にあっては、五十平方メートル)」としています。増築・改築・用途の変更の場合は、その部分の床面積で数えます。
法第14条第3項は、地方公共団体が条例で、特別特定建築物を追加したり、規模を政令の規模未満で別に定めたり、基準に必要な事項を付け加えたりできるとしています。施行令第10条第2項は、条例で規模を床面積の合計500平方メートル未満で定めた場合、その規模以上で、床面積の合計が500平方メートル未満の建築(公衆便所を除く)にかかる基準を「第二十条及び第二十六条に定めるところによる。」としています。第二十条が次の標識の条で、次の節の第21条(案内設備)は、この小さな建物の基準には入っていません。
施行令第26条第2項は、この小さな建物で増築や改築(用途の変更をしてその建物にすることを含む)をする場合、第二十条などは「当該増築等に係る部分(当該部分に道等に接する出入口がある場合に限る。)に限り、適用する。」としています。
03標識(施行令第20条と、標識に関する省令)
施行令第20条は、「移動等円滑化の措置がとられたエレベーターその他の昇降機、便所又は駐車施設の付近には、国土交通省令で定めるところにより、それぞれ、当該エレベーターその他の昇降機、便所又は駐車施設があることを表示する標識を設けなければならない。」としています。
その省令(平成十八年国土交通省令第百十三号)は、標識を「高齢者、障害者等の見やすい位置に設けなければならない。」とし、標識は「当該標識に表示すべき内容が容易に識別できるもの(当該内容が日本工業規格Z八二一〇に定められているときは、これに適合するもの)でなければならない。」としています(「日本工業規格」は省令の原文の表記のまま)。JIS Z8210 は案内用図記号の規格で、分類ごとの形と色は看板に入れる案内用図記号(ピクトグラム)の、分類ごとの形と色にまとめています。
04案内設備(施行令第21条)
施行令第21条は、案内の設備を3つの項で定めています。第10条第2項の小さな建物の基準には入っていません。
- 建築物又はその敷地には、移動等円滑化の措置がとられたエレベーターその他の昇降機、便所又は駐車施設の「配置を表示した案内板その他の設備を設けなければならない。」ただし、配置を容易に視認できる場合は、この限りでない(第1項)
- エレベーターその他の昇降機又は便所の配置を「点字その他国土交通大臣が定める方法により視覚障害者に示すための設備を設けなければならない。」(第2項)
- 「案内所を設ける場合には、前二項の規定は適用しない。」(第3項)
第22条は、道等から第21条第2項の設備や案内所までの経路(不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用するものに限る)のうち一以上を、視覚障害者が円滑に利用できる経路にしなければならない、としています(視覚障害者の利用上支障がないものとして国土交通大臣が定める場合を除く)。
05よくある質問
- テナントとして入る店にも、標識の決まりはかかりますか?
バリアフリー法第14条第2項は、建築主等に、その所有し、管理し、又は占有する新築特別特定建築物を基準に適合するように維持しなければならないとしています。建築主等は、法第2条第十六号で、建築物の所有者、管理者若しくは占有者を含みます。特別特定建築物の政令で定める規模(床面積の合計2,000平方メートル、公衆便所は50平方メートル)以上の建築で建てられた建物が対象で、それ以外の特別特定建築物は、第14条第5項で必要な措置を講ずるよう努めなければならないとされています。条例で規模を500平方メートル未満で定めた地域では、その規模以上で、床面積の合計が500平方メートル未満の建築には、施行令第20条(標識)と第26条の基準がかかります(公衆便所を除く)。500平方メートル以上の建築には、施行令第10条第1項により、第20条を含む第11条から第25条の基準がかかります。
- バリアフリー法の標識は、JIS の図記号を使わないといけませんか?
施行令第20条に規定する標識に関する省令は、標識は表示すべき内容が容易に識別できるもので、その内容が日本工業規格Z八二一〇(案内用図記号)に定められているときは、これに適合するものでなければならない、としています。
出どころ
- e-Gov 法令検索「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(2026-09-24 確認)
- e-Gov 法令検索「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令」(2026-09-24 確認)
- e-Gov 法令検索「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令第二十条に規定する標識に関する省令」(2026-09-24 確認)
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