足場の作業主任者、作業床と最大積載荷重、点検の記録、注文者の表示
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壁面のチャンネル文字も、高い位置の袖看板も、足場の上で取り付けることがあります。足場を使って労働者に作業をさせる事業者には、周知や点検の定めがあります。注文者が設けた足場を使わせてもらう時は、法第31条第1項に当たる注文者にも、表示と点検の定めがあります。
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01高さと幅で変わる決まり
作業床・組立て等の措置・作業主任者・本足場の決まりは、足場の高さや場所の幅で分かれています。
| 境目 | 条 | 中身 |
|---|---|---|
| 高さ二メートル以上の作業場所 | 規則第563条第1項 | 作業床を設ける(一側足場を除く) |
| 高さ二メートル以上の構造の足場 | 規則第564条第1項 | 組立て・解体・変更の作業の時の措置(つり足場・張出し足場は高さを問わない) |
| 高さ五メートル以上の構造の足場 | 施行令第6条第十五号・規則第565条 | 組立て・解体・変更の作業に作業主任者を選任(つり足場〈ゴンドラのつり足場を除く〉・張出し足場は高さを問わない) |
| 幅一メートル以上の箇所 | 規則第561条の2 | 足場を使う時は本足場 |
第561条の2には、ただし書きがあります。「つり足場を使用するとき、又は障害物の存在その他の足場を使用する場所の状況により本足場を使用することが困難なときは、この限りでない。」
02作業主任者を選び、氏名を知らせる
法第14条は、政令で定める作業について、技能講習を修了した者などのうちから作業主任者を選任することを事業者に求めています。足場では、施行令第6条第十五号の「つり足場(ゴンドラのつり足場を除く。以下同じ。)、張出し足場又は高さが五メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業」がこれに当たり、規則第565条が「足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した者のうちから、足場の組立て等作業主任者を選任しなければならない。」としています。
選んだ後のことは規則第18条にあります。「事業者は、作業主任者を選任したときは、当該作業主任者の氏名及びその者に行なわせる事項を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知させなければならない。」条文が求めているのは周知で、「掲示する等により」とあるとおり、掲示はその方法の一つです。
作業主任者の職務は第566条の4つです。材料の欠点の点検と不良品の除去、器具・工具・要求性能墜落制止用器具・保護帽の点検、作業の方法と労働者の配置の決定と進行の監視、要求性能墜落制止用器具と保護帽の使用状況の監視。解体の作業では、材料の点検(第一号)は適用されません。
作業主任者とは別に、事業者が労働者を足場の組立て・解体・変更の作業に係る業務につかせる時は、特別の教育を行います(法第59条第3項・規則第36条第三十九号)。こちらには高さの区切りがなく、「地上又は堅固な床上における補助作業の業務を除く」とされています。
03最大積載荷重と作業床
規則第562条は、事業者に、足場の構造と材料に応じて作業床の最大積載荷重を定め、それを超えて積載しないことを求め、第3項で「最大積載荷重を労働者に周知させなければならない。」としています。チャンネル文字の箱や工具を作業床に置く時に関わる条です。
作業床は第563条第1項です。つり足場の場合を除き、幅は四十センチメートル以上、床材間の隙間は三センチメートル以下、床材と建地との隙間は十二センチメートル未満とされています(第二号)。墜落の危険がある箇所には、足場の種類に応じた足場用墜落防止設備を(第三号)、物が落ちて労働者に危険が及ぶおそれがある時は、高さ十センチメートル以上の幅木、メッシュシート若しくは防網などの「幅木等」を設けます(第六号)。
それぞれに例外があります。
- 第六号の幅木等:ただし書きで、第三号で設けた設備が幅木等と同等以上の機能を持つ場合、又は作業の性質上幅木等を設けることが著しく困難な場合若しくは作業の必要上臨時に幅木等を取り外す場合に、立入区域を設定したときは、この限りでないとされています。
- 第二号の床材と建地との隙間:第2項で、はり間方向の建地と床材の両端との隙間の和が二十四センチメートル未満の場合などに、隙間が十二センチメートル以上の箇所に防網を張る等の措置を講じたときは、適用されません。
- 第三号の足場用墜落防止設備:第3項で、作業の性質上設けることが著しく困難な場合や、作業の必要上臨時に取り外す場合に、要求性能墜落制止用器具を安全に取り付けるための設備等を設けて労働者に使わせる措置「又はこれと同等以上の効果を有する措置」を講じ、関係者以外の立入りを禁止したときは、第三号の定めは適用されません。
第3項により足場用墜落防止設備を臨時に取り外したときは、その必要がなくなった後、直ちに当該設備を原状に復します(第5項)。第3項の場合に要求性能墜落制止用器具の使用を命じられた労働者は、これを使用します(第6項)。
04組み立てる時と、作業を始める前の点検
足場を組み立て、解体し、又は変更する時は第564条第1項です。時期・範囲・順序を作業に従事する労働者に周知させること、作業区域への関係者以外の立入りを禁止する旨を見やすい箇所に表示すること、強風・大雨・大雪等の悪天候で危険が予想される時は作業を中止すること、などが並んでいます。
点検は第567条です。つり足場を除く足場で作業を行う時は、点検者を指名して、その日の作業を開始する前に、足場用墜落防止設備の取り外し及び脱落の有無を点検させ、異常を認めたときは直ちに補修します(第1項)。悪天候若しくは中震以上の地震の後や、足場の組立て・一部解体・変更の後は、床材、緊結部、壁つなぎ等の補強材など九つの事項を点検させます(第2項)。この第2項の点検は記録が要り、第3項が「当該点検の結果及び点検者の氏名」と、補修等の措置を講じた場合の措置の内容を、「足場を使用する作業を行う仕事が終了するまでの間」保存するとしています。
05注文者が設けた足場を使う時
法第31条第1項は、特定事業の仕事を自ら行う注文者が、建設物、設備又は原材料を、当該仕事を行う場所においてその請負人に係る作業従事者に使用させる時の措置を定めています。特定事業は、法第15条第1項で「建設業その他政令で定める業種に属する事業」とされています。仕事が数次の請負契約で行われ、同じ建設物等について措置を講ずべき注文者が二以上ある時は、後次の請負契約の当事者である注文者には第1項が適用されません(第2項)。
足場について、その措置の中身を書いているのが規則第655条です。
- 第一号:作業床の最大積載荷重を定め、「これを足場の見やすい場所に表示すること。」
- 第二号:悪天候若しくは中震以上の地震の後や、足場の組立て・一部解体・変更の後に、点検者を指名して作業開始前に点検させ、危険のおそれがある時は速やかに修理すること
- 第三号:厚生労働大臣が定める規格と、規則の足場の基準の一部(第559条から第561条まで、第563条など)に適合するものとすること
第2項で、注文者も点検の結果と点検者の氏名、修理等の措置の内容を記録し、仕事が終了するまで保存します。事業者の第562条が最大積載荷重の「周知」を求めているのに対して、第655条は注文者に「足場の見やすい場所に表示」を求めていて、書き方が違います。
06よくある質問
- 注文者が設けた足場で取り付けをする時、最大積載荷重の表示や点検の定めは誰にかかりますか?
条文は2つの立場を別々に書いており、一方がかかれば他方が外れるとは書いていません。法第31条第1項の注文者が請負人の作業従事者に足場を使わせる時は、第655条の表示・点検・記録がその注文者の措置です。足場で労働者に作業を行わせる事業者には、第562条の周知や第567条の点検の定めがあります。数次の請負では、後次の注文者には法第31条第1項が適用されない(第2項)ことも関わります。
- 足場の構造としての高さが四メートルです。作業主任者と特別の教育の定めはかかりますか?
作業主任者の選任が要るのは、施行令第6条第十五号の、つり足場(ゴンドラのつり足場を除く)・張出し足場か、高さが五メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業です。構造としての高さが四メートルの足場で、つり足場・張出し足場でないものは、これに当たりません。一方、事業者が労働者を足場の組立て等の業務につかせる時の特別の教育(規則第36条第三十九号)には高さの区切りがなく、地上又は堅固な床上における補助作業の業務は除かれます。高さが二メートル以上の構造の足場なので、第564条の組立て等の措置もかかります。
- 幅が一メートルに足りない所でも、本足場の決まりはかかりますか?
規則第561条の2が本足場を求めているのは、幅が一メートル以上の箇所で足場を使う時です。一メートル以上でも、つり足場を使う時や、障害物の存在その他の場所の状況で本足場を使うことが困難な時は、ただし書きで除かれています。
出どころ
- e-Gov 法令検索「労働安全衛生法」(2026-10-12 確認)
- e-Gov 法令検索「労働安全衛生法施行令」(2026-10-12 確認)
- e-Gov 法令検索「労働安全衛生規則」(2026-10-12 確認)
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