避難場所の標識を新しくする時、災害ごとの適・不適と夜の見え方を確かめる
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平成28年の内閣府と消防庁の事務連絡は、避難場所の標識で、どの災害に適しているか、又は適していないかを表示すること、夜間に備えて蓄光や再帰性反射などの機能を備えた物で整備に努めることを挙げています。
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01どんな規格か
この記事は、市区町村などが屋外に置く避難場所・避難所の標識の話です。建物の中の避難口の標識や誘導灯は、別の法令の決まりです。
内閣府のページによると、避難場所等(「指定緊急避難場所」及び「指定避難所」)は、災害種別ごとに設定することになっています。そこで JIS Z8210 に災害種別の図記号を加え、「この図記号を使った表示方法に係る「災害種別避難誘導標識システム(JIS Z9098)」を平成28年3月22日付で制定しました。」とあります。地方公共団体等には、避難場所等の表示を新設・更新する際は JIS Z9098 を参照の上、「設置に努めて下さい。」としています。
2026年3月23日の経済産業省の資料によると、JIS Z9098 を基に、2022年に国際規格 ISO 22578 が「日本主導で開発されました」。今回の改正では、JIS Z9097(津波避難誘導標識システム)と JIS Z9098 を統合し、適用範囲の災害種別に「新たに火山噴火と地震を追加しました」。改正後の災害種別は、津波、高潮、洪水、内水氾濫、土石流、崖崩れ・地滑り、大規模な火事、火山噴火、地震です。
同じ資料は、避難場所等の設定と標識の整備は「災害対策基本法に基づいて各地の地方公共団体が主体となって実施することが基本となっています。」と添えています。
02改正で変わった英語の表記
資料は、国際規格と対応させる形で英語表記を見直したとし、変更例を次のように示しています。
| 用語 | 旧JISでの英語表記 | 改正後の英語表記 |
|---|---|---|
| 避難情報標識 | evacuation information signs | evacuation plan signs |
| 避難誘導標識 | evacuation guidance signs | evacuation route signs |
| 避難場所標識 | evacuation area signs | place of refuge signs |
| 避難場所 | evacuation area | place of refuge |
| 避難所 | shelter | safety evacuation facility |
適不適表示マーク(“○”と“×”)は、“○”が「必ずしも万国共通の肯定的なシンボルではないこと」を踏まえ、“○”を緑、“×”を赤などに色分けして示すことを可能とし、否定の“×”だけを示す記載例が加わりました。災害種別補助図記号は、洪水・内水氾濫の物が変更され、火山と地震の物が加わりました。「洪水/内水氾濫」と「火山噴火」の注意図記号も加わっています。地震の注意図記号は、「地震の危険がある地域を特定することは困難であるため」規定していないとされています。
03設置の留意点と、夜間の見え方
平成28年3月23日の内閣府と消防庁の事務連絡は、標識の表示では「特に、避難場所がどの災害に適しているか、又は適していないかを表示すること。」とし、図記号は「省略をすることなくそのまま活用すること。」、色使いも JIS の規格に従うこととしています。災害種別の英訳は「JIS Z8210の各図記号の表示事項の英訳を利用すること。」ともあります。設置の留意点として、JIS Z9098 の附属書I から次などを挙げています。
- 「当該表示が目立つように設置すること」
- 「標識がよく見え判読できるよう配慮すること。積雪地帯の場合、積雪時に判読できるように、例えば標識の高さなどを考慮すること」
- 「誘導標識を設置する場合は、適切な間隔で途切れることなく設置していくこと」
- 「標識の部材等は、設置環境に適合させることを念頭において選定すること」
同じ事務連絡によると、関係省庁等は、市区町村等から災害種別図記号による案内板等の設置に係る道路占用許可の申請があった場合に、「当該物件が道路法令上の基準に適合し、道路管理上の支障がない等の場合においては、適切に許可するよう努める。」としています。道路に看板や標識を出す時の許可は、看板が道路にはみ出す時の、道路占用許可にまとめています。
夜間については、附属書H を参考に、次の機能を備えた物で標識整備に努めるとしています。
- ソーラー電源機能など
- 蓄光機能
- 再帰性反射機能など
蓄光材料と再帰性反射材料の性能及び試験方法は、「JIS Z9098附属書H等に記載されているので、それらを参考にすること。」とあります。内閣府のページも、暗闇対策の問い合わせが多いとして同じ附属書H を案内し、耐候性、耐水性その他の性能は「JIS9096の性能基準などを参考に設置場所に適した性能を選択することが望ましい。」という記載(規格番号は内閣府のページの表記のまま)を紹介しています。
附属書H・附属書I は、平成28年(2016年)の版での番号です。2026年の改正で附属書の組み方が変わったため、今の番号と中身は、日本産業標準調査会(JISC)のページで「Z9098」と検索して本文で確かめる必要があります(経済産業省の資料に、JISC で本文を閲覧できると書かれています)。
04表示板の貼り替え(事務連絡の別添)
事務連絡の別添は、既に設置している表示板の板面を貼り替える方法を示しています。これは、災害種別図記号等の JIS 原案の作成に携わった一般社団法人日本標識工業会等の助言に基づくとされています。
設置から2〜3年程度の表示板は、粘着シートで貼り替えられるとし、表示内容粘着シートやラミネートフィルムは屋外耐候性のある材料を選ぶこと(屋外耐候性は「材質証明をしているもの」との注があります)、材料は「一般的に再帰性反射シート、屋外用蓄光材や白塩ビシートなどがある」としています。設置後数年でも表示面に粉吹きやひび割れ等の劣化がある場合は、次の方法を検討するとしています。設置後4年以上経過した物や、表示板が切り文字による表示の場合は、低発泡塩ビ板(板厚1〜3mm程度)を表示面に貼り付け、既存表示板への貼り付けは「屋外用接着剤と屋外用両面テープの併用接着が可能。」とされています。
別添は台板の材料として、アルミ複合材と低発泡塩ビ板を挙げ、電柱等の広告看板による設置も可能としています。アルミ複合板を看板に使う時の注意は、アルミ複合板〈アルポリック〉の、施工の前に読む注意にまとめています。図記号の形と色の決まりは看板に入れる案内用図記号(ピクトグラム)の、分類ごとの形と色にあります。
05よくある質問
- 災害種別避難誘導標識システム(JIS Z9098)は、2026年に何が変わりましたか?
2026年3月23日の経済産業省の資料によると、JIS Z9097(津波避難誘導標識システム)と統合し、適用範囲の災害種別に火山噴火と地震を加えました。英語の表記の見直し、洪水・内水氾濫の災害種別補助図記号の変更と火山・地震の物の追加、“○”を緑・“×”を赤などに色分けできるようにしたことなども、改正の主なポイントに挙げられています。
- 夜間でも見える避難場所の標識には、何が求められていますか?
平成28年3月23日の内閣府と消防庁の事務連絡は、平成28年の版の JIS Z9098 の附属書H を参考に、ソーラー電源機能など、蓄光機能、再帰性反射機能などを備えた物で標識整備に努めるとしています。蓄光材料と再帰性反射材料の性能と試験方法は、附属書H 等を参考にするよう書かれています。2026年の改正後の附属書の番号は、JISC のページで本文を確かめてください。
出どころ
- 経済産業省「資料5 災害種別避難誘導標識システムに関するJIS 改正」(2026年3月23日)(2026-09-24 確認)
- 内閣府「避難場所等の図記号の標準化の取組」(2026-09-24 確認)
- 内閣府・消防庁「災害種別図記号による避難場所表示の標準化の取組について」(事務連絡・平成28年3月23日)(2026-09-24 確認)
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