漏電遮断器の設置義務は、どこに書かれているのか
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義務を定めるのは省令、具体的な付け方を示すのは解釈、の2段になっています。解釈の条文の言葉は「漏電遮断器」(「漏電ブレーカー」とも呼ばれます)ではなく「地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置」です。
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01義務は省令、付け方は解釈
- 電気設備に関する技術基準を定める省令(平成九年通商産業省令第五十二号)は、制定文で「電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第三十九条第一項及び第五十六条第一項の規定に基づき」定められています。その第15条(地絡に対する保護対策)は、「電路には、地絡が生じた場合に、電線若しくは電気機械器具の損傷、感電又は火災のおそれがないよう、地絡遮断器の施設その他の適切な措置を講じなければならない。ただし、電気機械器具を乾燥した場所に施設する等地絡による危険のおそれがない場合は、この限りでない。」としています。
- 経済産業省の「電気設備の技術基準の解釈」は、前書きで自らを、省令に定める「技術的要件を満たすものと認められる技術的内容をできるだけ具体的に示したもの」としています。続けて、「省令に定める技術的要件を満たすものと認められる技術的内容はこの解釈に限定されるものではなく」、十分な保安水準を確保できる技術的根拠があれば省令に適合すると判断する、としています。第36条(見出し「地絡遮断装置の施設」)の見出しの後ろには「(省令第15条)」とあります。
02第36条第1項に書かれていること
解釈の第36条第1項は、「金属製外箱を有する使用電圧が60Vを超える低圧の機械器具に接続する電路には、電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。」としています。続けて「ただし、次の各号のいずれかに該当する場合はこの限りでない。」とあり、付けなくてよい場合が第一号から第八号まで並びます。
「漏電遮断器」の語は、下の表の第六号に「電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器」として出てきます。機械器具の中に漏電遮断器を取り付けた場合が(電源引出部が損傷を受けるおそれがないように施設する、という条件つきで)、付けなくてよい場合の1つに入っている形です。
同じ条の第2項は、決まった電路は第1項によらず、その電路に適用される規定による、としています。第3項は高圧又は特別高圧の電路と変圧器によって結合される使用電圧が300Vを超える低圧の電路の決まり、第4項は高圧又は特別高圧の電路の決まりです。
03付けなくてよい場合(第1項の第一号〜第八号)
一・四・五・六・八は原文のまま、二・三・七は原文の語を使ってまとめました。
| 号 | 中身 |
|---|---|
| 一 | 機械器具に簡易接触防護措置(金属製のものであって、防護措置を施す機械器具と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合 |
| 二(まとめ) | 機械器具を、発電所・蓄電所・変電所・開閉所やこれらに準ずる場所、乾燥した場所、対地電圧が150V以下の場合は水気のある場所以外の場所、のいずれかに施設する場合 |
| 三(まとめ) | 機械器具が、電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁構造のもの、ゴム・合成樹脂その他の絶縁物で被覆したもの、誘導電動機の2次側電路に接続されるもの、ほか、のいずれかである場合 |
| 四 | 機械器具に施されたC種接地工事又はD種接地工事の接地抵抗値が3Ω以下の場合 |
| 五 | 電路の系統電源側に絶縁変圧器(機械器具側の線間電圧が300V以下のものに限る。)を施設するとともに、当該絶縁変圧器の機械器具側の電路を非接地とする場合 |
| 六 | 機械器具内に電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器を取り付け、かつ、電源引出部が損傷を受けるおそれがないように施設する場合 |
| 七(まとめ) | 機械器具を太陽電池モジュールに接続する直流電路に施設し、その直流電路が非接地で、直流電路に接続する逆変換装置の交流側に絶縁変圧器を施設し、直流電路の対地電圧が450V以下である場合 |
| 八 | 電路が、管灯回路である場合 |
04表の言葉は、第1条で決められている
同じ解釈の第1条(用語の定義)は、表に出てくる言葉を次のように決めています。
- 管灯回路(第十四号)=「放電灯用安定器又は放電灯用変圧器から放電管までの電路」
- 水気のある場所(第二十六号)=「水を扱う場所若しくは雨露にさらされる場所その他水滴が飛散する場所、又は常時水が漏出し若しくは結露する場所」
- 湿気の多い場所(第二十七号)=「水蒸気が充満する場所又は湿度が著しく高い場所」
- 乾燥した場所(第二十八号)=「湿気の多い場所及び水気のある場所以外の場所」
- 簡易接触防護措置(第三十七号)=「設備を、屋内にあっては床上1.8m以上、屋外にあっては地表上2m以上の高さに、かつ、人が通る場所から容易に触れることのない範囲に施設すること。」または「設備に人が接近又は接触しないよう、さく、へい等を設け、又は設備を金属管に収める等の防護措置を施すこと。」
第二十六号と第二十八号を合わせて読むと、雨露にさらされる場所は「水気のある場所」にあたり、「乾燥した場所」には入りません。
接地工事のA種〜D種の接地抵抗値と、機械器具にどれを施すかは、29-1表では、低圧300V以下の機械器具の金属製外箱等はD種接地工事になっているにまとめています。
05ネオン放電灯の条(第186条)
第186条は、ネオン放電灯を「放電管にネオン放電管を使用する放電灯をいう。」としたうえで、管灯回路の使用電圧で分けて決めています。
管灯回路の使用電圧が1,000Vを超えるネオン放電灯について、第2項第八号は「ネオン変圧器の2次側電路を接地する場合」に、そのイで「2次側電路に地絡が生じたときに自動的に当該電路を遮断する装置を施設すること。」としています。同じ項の第七号は「ネオン変圧器の外箱には、D種接地工事を施すこと。」です。
使用電圧が1,000V以下のネオン放電灯を決める第1項には、この遮断する装置の号はありません。第1項第九号は「放電灯用変圧器の外箱及び金属製の看板枠には、D種接地工事を施すこと。」としています。どちらの項にも、「湿気の多い場所又は水気のある場所に施設するネオン放電灯には適当な防湿装置を施すこと。」とあります。
06よくある質問
- 漏電遮断器の設置義務は、どの法令に書かれていますか?
義務を定めているのは「電気設備に関する技術基準を定める省令」第15条で、電路には地絡が生じた場合に備えて「地絡遮断器の施設その他の適切な措置を講じなければならない」としています(乾燥した場所に施設する等、危険のおそれがない場合を除く)。その具体的な形を、経済産業省の「電気設備の技術基準の解釈」第36条第1項が、金属製外箱を有する使用電圧が60Vを超える低圧の機械器具に接続する電路に、地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設する、として示しています。
- ネオン管を使うネオンサインの2次側には、遮断する装置が要りますか?
第186条が扱うのは、放電管にネオン放電管を使用する放電灯です。そのうえで、使用電圧と接地のしかたで分かれます。第36条第1項は、第八号で「電路が、管灯回路である場合」を付けなくてよい場合に入れています。ただし第186条第2項第八号イは、管灯回路の使用電圧が1,000Vを超えるネオン放電灯でネオン変圧器の2次側電路を接地する場合に、2次側電路に地絡が生じたときに自動的に遮断する装置を施設する、としています。1,000V以下を決める第186条第1項には、この号はありません。
出どころ
- 経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(2025年11月20日付けの改正までを載せた版)(2026-09-24 確認)
- e-Gov 法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」(2026-09-24 確認)
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