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看板のデザインの著作権と、写真に撮ること

公開

作ってもらった看板のデザイン。何も決めずにいると、権利は誰の手元に残るのか。

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01権利は、届け出なしに、作った時点で生まれます

著作権法 第2条第1項第1号は、著作物を「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」としています。第2号で、著作者は「著作物を創作する者」です。第10条第1項第4号は、著作物の例示に「絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物」を挙げています。

第17条第1項は、著作者が著作者人格権(第18条第1項・第19条第1項・第20条第1項)と著作権(第21条〜第28条)を享有するとし、第2項で「著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない」としています。登録も表示も要りません。ロゴや図案を描いた時点で、描いた人に権利が生まれている、という作りです。

ただし、ある看板の図案が美術の著作物に当たるかどうかは、条文だけでは決まりません。この記事は条文の並びを示すもので、個々の看板についての判断ではありません。

02代金を払って作ってもらっても、権利は自動では移りません

第15条第1項は、法人等の発意に基づき、その法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物で、その法人等が自己の著作の名義で公表する物の著作者は、契約や勤務規則に別段の定めがない限りその法人等とする、としています(職務著作)。ここで対象になっているのは「業務に従事する者」で、社外に頼んで作ってもらった場合の規定ではありません。

第61条第1項は、著作権は全部または一部を譲渡できるとしています。注意がいるのは第2項です。

第61条条文
第1項著作権は、その全部又は一部を譲渡することができる。
第2項著作権を譲渡する契約において、第27条又は第28条に規定する権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は、譲渡した者に留保されたものと推定する。

第27条は、著作物を翻訳・編曲・変形し、または脚色・映画化その他翻案する権利です。第28条は、二次的著作物の利用について原著作者が同じ種類の権利を持つ、という定めです。つまり「著作権を譲渡する」とだけ書いた契約では、作り替える権利は相手に残っていると推定されることになります。ロゴを別の媒体に合わせて描き直す、色や比率を変える、といった場面で効いてくる条文です。

03屋外に恒常的に置かれた物を、写真に撮って使う

第45条第1項は、美術の著作物や写真の著作物の原作品の所有者(またはその同意を得た者)が、その原作品により公に展示できるとしています。第2項で、街路、公園その他一般公衆に開放されている屋外の場所、または建造物の外壁その他一般公衆の見やすい屋外の場所に恒常的に設置する場合には、第1項を適用しないとしています。

その「恒常的に設置されている」美術の著作物について、第46条はこう定めています。いずれの方法によるかを問わず利用することができる。ただし、次の四つの場合が除かれます。

第46条除かれる場合
第1号彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合
第2号建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合
第3号前条第2項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合
第4号専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合

店の外観を撮った写真を店の紹介に使う、といった使い方は第46条の本文の側の話になります。一方、第4号は、その図案を写した物を売ること自体が目的の場合です。看板の写真を印刷した商品を作って売る、といった形は、この号に近づきます。

04製作を頼む側から見ると

看板の文字を作る工程では、図案のデータをお預かりします。そのデータを誰が作ったのか、権利の扱いをどう決めたのかは、デザインを作った人と発注した方の間の話で、製作の側では分かりません。デザイン会社や制作者に頼んで作った図案を使う時は、その相手との取り決めをご確認ください。

どこからが侵害になるか、契約の文言がどこまでを含むかは、この記事の条文の並びだけでは決められません。判断が要る場面では弁護士などにお尋ねください。当社は法律の判断は行いません。

お預かりしたデータが立体の文字にできるかどうか(線の細さ、抜けの有無、最小の幅)は、データをお送りいただければお調べします。文字の作りの違いはチャンネル文字(箱文字)の種類、書体の選び方は看板の書体にまとめています。

05商標とは別の話です

著作権は「作った表現」についての権利で、登録は要りません。これに対して、同じ名前を他の店が看板に出せるかという話は商標の側の決まりで、登録があって初めて動きます。両方が同じ看板にかかることもあります。名前の側は看板に出す店名・ロゴと、商標をご覧ください。

06よくある質問

看板のデザインの著作権は、誰のものになりますか?

著作権法 第2条第1項第2号で、著作者は著作物を創作する者です。第17条第2項により、権利の享有に登録などの方式は要りません。代金を支払っても、譲渡の取り決めがなければ権利は自動では移りません。

「著作権をすべて譲渡する」と書けば、作り替えもできますか?

第61条第2項は、第27条(翻案権等)と第28条の権利が譲渡の目的として特掲されていないときは、これらの権利は譲渡した者に留保されたものと推定するとしています。

街で見た看板の写真を、そのまま使ってよいですか?

第46条は、屋外の場所に恒常的に設置された美術の著作物は、四つの場合を除いて方法を問わず利用できるとしています。除かれるのは第1号〜第4号で、第4号は専ら複製物の販売を目的とする場合です。

出どころ

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データと、文字の高さ・発光タイプ・数量をお送りください。箱文字看板の1文字いくらかの目安は箱文字の値段の目安(1文字 税別20,000円〜)、ネオン看板はネオン看板の大きさと値段の目安(税込5万円〜)に載せています。

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