農地の中の看板について、農地法の第3条・第4条・第5条が決めていること
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道路から見える野立て看板を、田んぼや畑の中に立てる計画があります。その土地が農地法の「農地」なら、看板を立てることが「農地を農地以外のものにする」ことに当たるかどうかで、農地法の許可が関わってきます。
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01農地法の「農地」と、第4条の転用の許可
農地法第2条第1項は、「農地」を「耕作の目的に供される土地」としています。
第4条第1項は、「農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(…)の許可を受けなければならない。」としています。括弧の中は、農林水産大臣が指定する市町村(指定市町村)の区域内では指定市町村の長とするもので、あわせて「都道府県知事等」と呼んでいます。ただし書きで第一号から第八号までの場合を除いていて、第七号は、市街化区域内にある農地を、政令で定めるところにより「あらかじめ農業委員会に届け出て、農地以外のものにする場合」です。
第八号の「農林水産省令で定める場合」として、農地法施行規則第29条第一号は、耕作の事業を行う者が、2アール未満の農地を、その者の農作物の育成若しくは養畜の事業のための農業用施設に供する場合などを、許可の対象から除いています。看板の名前は、この号には出てきません。
02農用地区域の中の農地は、原則として許可できない
第4条第6項は、「第一項の許可は、次の各号のいずれかに該当する場合には、することができない。」とし、第一号イに「農用地区域(農業振興地域の整備に関する法律第八条第二項第一号に規定する農用地区域をいう。以下同じ。)内にある農地」を農地以外のものにしようとする場合を挙げています。この項には、土地収用法の告示に係る事業の用に供する場合や、農用地利用計画において指定された用途に供する場合など、「この限りでない。」とするただし書きがあります。
権利を設定・移転する時の第5条にも、同じ形の決まりがあります。第5条第2項は「前項の許可は、次の各号のいずれかに該当する場合には、することができない。」とし、第一号イに「農用地区域内にある農地又は採草放牧地」を挙げています。こちらにも「この限りでない。」とするただし書きがあります。
農用地区域は、農地法ではなく、農業振興地域の整備に関する法律で決まる区域です。
03転用する者と、権利を設定する当事者(第4条と第5条)
| 条 | 書かれていること |
|---|---|
| 第4条第1項 | 農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事等の許可を受けなければならない |
| 第5条第1項 | 農地を農地以外のものにするため…、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない |
第3条第1項本文に掲げる権利は、「所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合」の、これらの権利です。看板を立てるための土地の借り方がどれに当たるかは、土地の所在地の農業委員会に確かめることになります。第5条第1項第六号も、第4条第1項第七号と同じく、市街化区域内にある農地について、あらかじめ農業委員会に届け出て権利を取得する場合を除いています。
許可の申請書は、第4条の許可では第4条第2項で「農業委員会を経由して、都道府県知事等に提出しなければならない。」とされ、第5条の許可では第5条第3項がこの第4条第2項などを準用しています。
04三条市が公表している、1つの看板の回答
新潟県三条市は、ホームページで「農地内の看板設置について(令和6年5月20日回答)」を公表しています。市は、看板業者への事実確認で「看板業者による当該農地の確認が不十分のまま手続を進め、看板を設置していたことが分かりました」とし、県の農地管理課に確認したところ、「農用地区域にある当該看板は規模が大きく簡易な構造ではないことや、耕作の継続性が見受けられないことから、農地転用の申請と、農用地区域を除外する手続が必要とのことでした」と書いています。市は、この看板を「農地転用許可が必要な構造物として判断し」、看板業者に撤去を依頼したとしています。
この回答は、1つの看板についての判断です。転用の申請が要る理由として挙がっているのは、規模が大きいこと、簡易な構造ではないこと、耕作の継続性が見受けられないことの3点で、看板が農用地区域にあったため、農用地区域を除外する手続も必要とされています。
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05よくある質問
- 田んぼや畑の中に看板を立てるのに、農地法の許可は要りますか?
農地法第4条第1項は、農地を農地以外のものにする者に都道府県知事等の許可を求めています。看板を立てることがこれに当たるかは、条文には書かれていません。三条市が公表した1件の回答では、市は、県の農地管理課に確認したところ、農用地区域にあるその看板は規模が大きく簡易な構造ではないことや耕作の継続性が見受けられないことから、農地転用の申請と農用地区域を除外する手続が必要とのことだったとして、その看板を転用の許可が必要な構造物と判断しています。
- 土地を借りて看板を立てる時は、誰が許可を受けますか?
農地法第5条第1項は、農地を農地以外のものにするため、その土地について第3条第1項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、「当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない。」としています。第5条第2項第一号イは、農用地区域内にある農地又は採草放牧地について、この許可を原則としてすることができないとしています(ただし書きあり)。
- 市街化区域の農地でも、許可が要りますか?
第4条第1項第七号と第5条第1項第六号は、市街化区域内にある農地について、政令で定めるところにより、あらかじめ農業委員会に届け出る場合を、許可の対象から除いています。
出どころ
- e-Gov 法令検索「農地法」(2026-09-25 確認)
- e-Gov 法令検索「農地法施行規則」(2026-09-25 確認)
- 三条市「農地内の看板設置について(令和6年5月20日回答)」(2026-09-25 確認)
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