ステンレスのプレス加工で起きる不具合は、プレスの条件と密接に関連している
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協会は、プレス加工の不良を「一概に結論づけしにくい」とも書いています。
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01プレス加工の、3つの型
ステンレス協会のQ&Aは、ステンレス鋼は「一般にプレス加工、曲げ加工や剪断・打ち抜き加工を利用して成形されます。」と書いています。プレス加工は、材料にかかる応力のパターンで「大きく3種類に分類されます。」としています。
- 絞り成形=「材料が絞り方向に引っ張られ、それと直角の円周方向に圧縮がかかる加工です。」
- 張り出し成形=「板に引っ張り応力のみが働き、風船を膨らますような加工方法です。」
- 曲げ成形=「曲げ中心の外側が引張応力、内側に圧縮応力が働く加工方法です。」
02材料のどこを見るか
同じQ&Aは、材料に求められる特性は「プレス方法で異なります。」としています。
絞り成形では、材料の指標は「r値(ランクフォード値)の大きいもの」です。張り出し成形では、「材料が変形すると硬くなります。」としたうえで、「n値(加工硬化指数)が大きい材料」を挙げています。曲げ成形では「曲げ加工の内径が小さくなるほど厳しい加工となります。」とし、指標は「伸びが大きな材料」です。
協会の「表1.鋼種毎の代表的な機械的性質と成形指標」では、n値はSUS304が0.44、SUS430が0.20、r値はSUS304が1.0、SUS430が1.2です。
そして、材料特性からすると「張り出し成型要素と曲げ加工要素が強い加工には、オーステナイト系ステンレス鋼が優れ、絞り成形要素が強い加工にはフェライト系ステンレス鋼が優れています。」としています。
また、「SUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼では加工された部分でマルテンサイトが発生し、磁性を帯びてきます。」とあります。SUS304とSUS430の成分と金属組織の違いはSUS304とSUS430は、成分と金属組織が違うにまとめています。
03協会が挙げる、4つの不具合
協会は、プレス加工で発生する不良は「プレスの条件と密接に関連しており、一概に結論づけしにくい点もありますが、一般的に次のような対応が有効です。」としています。
- 置き割れ:「SUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼を絞り成形後に、時間経過して割れが発生する現象です。」「その発生はプレス条件に大きく左右され、特に加工量が大きいほど起こりやすくなります。」対策は、「加工によりマルテンサイトの発生し難い、炭素や窒素を減少させた材料を使用したり、加工後に焼鈍して加工で発生したマルテンサイトを除去したりします。」
- 縦割れ:「SUS430等のフェライト系ステンレス鋼を絞り成形した時に、縦方向に割れが発生する現象です。」原因は「絞り加工による材料脆化」とされ、対策は、「r値の大きい、炭素や窒素を減少させチタンを添加した材料を使用します。」
- リジング:「ローピングとも呼ばれ、SUS430などのフェライト系ステンレス鋼を加工したときに、板の表面に現れるうねり状の凹凸模様です。」「鋼種によりその程度は多少異なりますが、完全になくすことはできません。」
- オレンジピール:「素材の結晶粒径の大きな材料を加工すると、表面に梨地状の肌荒れが発生します。」対策の結晶粒度を小さくすることについては、「これによりn値やr値も低下してきますので注意を要します。」としています。
溶接の後の扱いはステンレスの溶接の変色部は、機械的に除去するか酸洗で除去する方法が推奨されているにまとめています。
04よくある質問
- SUS304は、加工すると磁性を帯びますか?
ステンレス協会のQ&Aは、「SUS304等のオーステナイト系ステンレス鋼では加工された部分でマルテンサイトが発生し、磁性を帯びてきます。」としています。
- リジングは、なくせますか?
同じQ&Aは、リジングについて「鋼種によりその程度は多少異なりますが、完全になくすことはできません。」としています。
出どころ
- ステンレス協会「成形加工での注意事項について」(2026-09-24 確認)
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